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メールマガジン(事業承継がよくわかるメールニュース)




▽2012年4月号
花粉症の私にとって、我慢の季節がやってきました。
本来であれば気温が上がる事で、暖かい春の訪れに身も心も躍るのでしょうが、どうにも鼻と目が、それ以外の極めて細かい変化を逃さない訳です。これ位、世の中の動きに敏感であれば、時代の先端をいけるのでしょうが、外的要因による鼻腔の刺激には、残念ながら適いません。
早く落ち着かないかな・・・。しかしその先には、暑い夏が待ってるのですね・・・。
さて、今回のメールニュースでは・・・・・
事業承継対策実例(2)』について展開します。
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今回の目次
1.前提となる事実
2.デッドロック
3.語り合う場を設けて
4.対策
5.10年後
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1.前提となる事実
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相談者は代表取締役Aさん(45歳)。金属製品製造業(二次下請)を営まれており、会社形態は株式会社。資本金は1,000万円、売上は2億円です。従業員数(パート含む)は8名で、発行済株式総数は2万株です。
他の役員は、弟のBさん(取締役)。機関構造の簡素化の為、新会社法の施行と同時に取締役会は廃止したとの事です。
利益はコンスタントに上がっています。3年平均で、営業利益が500万円。ただ、下請け脱却を目論んだ独自製品が、今まで接点のなかった一般家庭で徐々に認知されており、短期的には利益を確実に押し上げる勢いです。その状況によっては、設備投資を実施して売上規模を大きくしたいと考えています。
家族構成は、先代の妻(80歳)、Aさん、そして弟のBさん(43歳)です。
株式のきっかり50%(10,000株)をAさんが保有していました。残りのきっかり50%(10,000株)を弟のBさんが保有していました。2人で法人の株式を全て保有している訳ですが、如何せん持株の割合が50:50。すなわち、Aさんの意思のみで、株主総会の決議を通す事ができない、と言う事です。
何故この様な保有形態になったのか、ですが、そこには、先代であるお父上の『思い』があったようです。兎に角、兄弟は仲良く、会社を盛り立てていって欲しい。純粋にその様な思いで株式の相続割合を決めた、との事でした。
次期社長として決まっていたAさんも、弟のBさんも、 株式の分け方を決定する現場に居たそうですが、至極合理的である、と思い、特に異論を差し挟む事もなかったとの事です。
独自製品の製造能力強化の為の設備投資を決定しようとした際に、問題が始めて顕在化しました。
2.デッドロック
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Aさんは代表取締役です。従って、会社を代表する立場にあります。しかし、取締役会は、先に記した理由で設置されていません。その結果、業務執行に関する意思決定は、株主総会で実施する事となりました。
実は、設備投資に関してはAさんとBさんの双方の意見が一致してません。Aさんは、積極的に可能性のある新製品を開発し、必要ならば早く設備投資を実施して売上を増加させたいと考えています。一方でBさんは、職人気質。今まで日本を代表するメーカーに、技術力で製品を納入してきた自負があり、どうしても一般家庭向けの商品開発や、その為の設備投資に対して、納得がいかないとの事です。
結果として、現状維持しか不可能な状態。つまり、株主総会決議が通せない状態を生み出してしまいました。
Aさんは、持株比率を上げる為に、代表取締役の権限で増資をして、僅かでも持株割合をあげるとか、あるいはBさんから自社株を買取るとか、何か手は無いかと考えました。しかし、その全てにおいて株主総会の決議が必要。結局、お互いの意思が一致しないと法的には何も出来ない状況なのです。
3.語り合う場を設けて
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法的に固まっている状態を回避する方法として、当然ながら強行的な手法も考えられます。しかし、仮に裁判を実施したとしても、株主総会に変わる決議を得るのは簡単ではありません。加えて、実質は兄弟間の争いであり、お家騒動として近親者はともかく、取引先に対する影響は計り知れません。
この様な状況下では、『語り合う』と言う事が重要です。法務や税務でどうこうする問題ではありません。
この件で人間関係が極端に悪くなっている、という訳ではありません。従って話の場を設ける事自体は何ら問題がありませんでした。ただ、そこからが極めて大変でした。父親が遺した会社の、今後の方向性にも係る内容です。
可能性にかけて拡大するのか?、現状を維持するのか?
我々はAさんからの依頼を受けて動いていますから、 場合によってはBさんサイドで何かしらのアクションが起こる可能性を覚悟していました。しかし、そのような動きは、結局Bさんサイドにはありませんでした。お互いに共通の思いとして『父親が遺した会社を潰さない』と言うのがありますが、当時のBさんの意識の中にも、僅かながら『現状維持のリスク』があったのが幸いした訳です。
『潰さない』⇒『最低でも現状維持』⇒『発展しよう(でも無茶はしない)』
予想以上に短い時間で話はまとまっていきました。
4.対策
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先代の想いと、兄弟の想いを大切にしつつ、今回のような問題を回避する。その為にはどうすれば良いか?
(1) 株式の構成を変える
いわゆる「会社経営」に強い関心があるのはAさんです。Bさんは「会社経営」と言うよりは、現場が好き。当初、持株割合の変更も考えましたが、先代が決めた持株の割合を変更はしたくないとの強い要望があり、可能な限りその『想い』を大事にする事にした結果として、定款を変更して、Bさんの株式を無議決権化して、経営に関する決定権をAさんに集中しました。
但し、Aさんに相続が発生した場合は、直ちに議決権が復活する内容を、定款に盛込みました。この様にしたとしても、相続発生時に再びデッドロックになっては意味が無いです。そこで、全ての株式を、相続発生時に法人で買取れるようにしました。
(2) 買取資金の準備
配当可能な利益の範囲でのみ、自社株の買取(金庫株)が可能です。また、どちらに万一の事があったとしても、緊急対策資金は必要です。
そこで、契約者を法人として生命保険を準備しました。半分経費の保険で、解約返戻金が相応に溜まるものにする事により、実質的な保障コストを小さくする事が出来ます。加えて、万一の時にレバレッジの効いたキャッシュフローを生み出すのみならず、財務戦略上必要に応じて、簿外資産である解約返戻金を用いて、キャッシュフローを生み出す事が可能となります。
(3) 個人の相続対策
本来はそこまで考える必要があります。遺言書の準備もその一つです。しかし現時点では、AさんBさん共に個人での対策は限定的なものになりました。AさんBさん共にご結婚されてお子様(共に10代前半)もいらっしゃいますが、子供たちがどうしたいのか全く判らない段階で、縛りたくない、との思いがあります。
機械的に物事を運ばずに想いを具体化する。依頼者の納得の表情が、我々にとっては最高の喜びなのです。
5.10年後
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私もそうですが、子供は父親の背中を常に意識します。例え反抗的な態度をとっていたとしても、そこには越える事の出来ない父親への畏敬の念があります。どんなに遅くても、今後10年以内に、 お子様が会社に対する想いを明確化するものと考えます。こうやって、人も、組織も、DNAを受継ぎながら成長していくのでしょうね。
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ご愛顧頂いておりますメールマガジンですが、今までは、全体として『事業承継とは?』が共通キーワードでした。今後、第2クールとして、各論を展開してみようと考えています。5月初旬の送信時に、予定内容を明確化します。各論本文の次回配信は2ヵ月後、6月初旬を予定しています。ご期待下さい。


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